学生時代、間接的に大変お世話になりました。
辞書ですが・・・
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訃報:
金田一春彦さん91歳=国語学者、文化功労者
生前の金田一春彦氏=99年8月6日、中村琢磨写す
日本語のアクセント研究や国語辞典編さんで知られた国語学者の金田一春彦(きんだいち・はるひこ)さんが19日午前11時10分、くも膜下出血のため甲府市の病院で死去した。91歳。葬儀は22日午後0時半、東京都港区南青山の青山葬儀所。自宅は杉並区松庵2の8の25。喪主は妻珠江(たまえ)さん。
言語学者・金田一京助の長男。東京大国文科卒。東京外国語大教授を務めたが学園紛争で1970年辞任し、のち京都産業大、上智大教授などを歴任した。日本語アクセントの歴史的な体系変化を初めて実証的に分析、各地の方言を調査し東西アクセントの系統を解明した。国語審議会委員、NHK用語委員などを務め、「明解古語辞典」「新明解国語辞典」をはじめ多くの辞典編さんも手掛けた。77年NHK放送文化賞を受賞。また、63年の「吉展ちゃん誘拐殺人事件」などで脅迫電話の声から犯人の出身地を的中させた。
一方、邦楽史や童謡の研究でも知られ、83年「十五夜お月さん--本居長世 人と作品」で毎日出版文化賞と芸術選奨文部大臣賞を受賞した。レコード大賞審査員やテレビのクイズ番組解答者も務め、茶の間にも広く親しまれた。98年には85歳で自作の作曲集「白いボート」を刊行し話題となった。
92~02年、玉川大学客員教授。97年に文化功労者。主な著書に「日本語音韻の研究」「日本語」「平曲考」など。昨年秋から著作集を刊行中だった。
16日に山梨県内の八ケ岳山ろくにある別荘で倒れ、入院していた。
■哲学者、梅原猛さんの話 ひょうひょうとした人柄で、ユニークな個性を持った国語学者だった。アクセントや方言の研究は、お父さん以上に体系的で、着想も独創的。言語を数学のように考えがちな国語学者の中で、語感や言葉の文学性をよく分かっていた。残念です。
毎日新聞 2004年5月19日 14時25分